令和4年度生衛業活性化等事業報告

「令和4年度 生衛業支援セミナー」

1.事業の趣旨

 道内の飲食店営業, 理・美容業, ホテル旅館業, 公衆浴場業やクリーニング業等の生活衛生関係営業(以下「生衛業」という.)は, 道民生活に欠くことのできない地域のサービス業として, 日々経営の健全化と衛生水準の確保向上に取り組んでいるが, 生衛業の大部分は経営基盤が脆弱な中小零細な事業者であり, 昨今, 新型コロナウイルス感染拡大の影響よる人流の減少や売上減少に加え, ロシアによるウクライナ侵攻等に伴うエネルギー市場の高騰や原材料価格値上げにより, 全ての生衛業において経営は危機的な状況に陥っている.

 道内生衛業の振興発展には, 地元で奮闘する経営者や創業を目指す者への支援が不可欠であり, 経営の改善向上や人材の確保等が課題となっている.

 以上を踏まえ, 経営意欲の向上及び経営の健全化等を図ることは, 結果として利用者等の利益擁護に資することにも繋がることから, withコロナをテーマに生衛業経営者や従事者等を対象とした「生衛業支援セミナー」を開催した.

 なお, セミナーは, 全道の生活衛生関係営業者に参加の機会を設けるため札幌市内の会場のほかに, オンライン同時のハイブリッド開催で行った.

2.事業の概要

令和4年度 生衛業支援セミナー

 〇 日 時:令和4年11月8日(火)14:00~16:15

 〇 場 所:ホテルモントレエーデルホフ札幌 12階「ベルクホール」

 〇 参加者:41名(会場:27名 オンライン:14名)

講演 1
「withコロナ 危機を乗り越える経営」
講 師 ベストパス経営情報(経営革新等支援機関)代 表 村形 鉄雄 氏
プロフィール

 札幌市出身. 北海道大学工学部電子工学科卒業後, NECに入社にて通信装置の設計・開発に従事, 光ファイバー伝送装置やPHSの基地局設計などにかかわり, その後, ITベンチャー企画などに携わる.

 2010年独立後は, ITを軸に道内企業の様々な経営支援・生産性向上を多方面から支援する中小企業診断士として活躍.

講演内容

 新型コロナと物価高騰により, 経営の不透明さが増している. そのような環境下でいま, 生活衛生事業者は, どのような優先度で課題に取り組んでゆけばよいのかについて, 実施すべき取組として, ①資金繰り表を活用して半年先のキャッシュを把握②支援制度の情報を収集して活用 ③デジタル活用の検討・実施 ④先行事例(ファーストペンギン)を参考にするなどビジネスモデルの見直しなどを具体的に取り上げ講演された.

講演 2
「withコロナ ファンをつくる広報・SNS戦略」
講 師 LIFEMAPクリエイト 代 表 川嶋 留美 氏
プロフィール

 札幌市出身. 小樽女子短期大学を卒業後、金融機関に6年間勤務. その後, 日本道路交通情報センターにおいてアナウンスの仕事を経て, 平成18年10月から, 札幌テレビの「どさんこワイド」のリポーターとしてご活躍されるほか, TVショッピングのキャスターとしても道内外の数々の商品を紹介.

 現在は, フリーアナウンサーとしての仕事の他, TVリポーターの経験を活かし,情報発信や企業のプロモーションなどのアドバイスを行う経営コンサルタントとしても活躍.

講演内容

 スマートフォンの利用が当たり前になった今だからこそ必要となる情報発信. どの業種, 店舗も「認知度を上げたい, 集客につなげたい, リピート率を上げたい」と願っている.

 誰かが宣伝してくれるのを待つのではなく自らが積極的に情報発信する時代に必要な広報の考え方や方法について, ①お客様を「ファン化」するには ②ファンをつくるうえで重要なこと ③ファンを作るためのニーズにあわせたSNSの活用方法を, 参加者に設問形式などで考えさせるともに, さらに成功事例や自身の経験談などを用いてわかりやすく説明された.

3.事業の検証

参加者の構成

参加者の申し込みは会場とオンラインをあわせて46名であったが、当日の欠席が5名と、最終的な参加者は、41名(男性29名、女性12名)であった。

参加者の評価

「大変良かった」7名、「良かった」21名と、29名中28名(96.6%)から良いの評価を得た。

講演の感想・意見
全体として
  1. 「両先生のセミナーは、とてもわかりやすく良かった」
  2. 「講演1は論理的、講演2は具体的なケーススタディに基づきわかりやすかった」
  3. 「今後もSNSの講演がまたあれば聞きたい」
  4. 「今後もセミナーの企画があれば参加したい」
  5. 「オンライン配信は遠方からも参加でき良かった」

などの記載があった。

講演 1
  1. 「具体的な経営支援に向けた貴重な講演内容であり、ポイントもわかりやすく参考になった」
  2. 「GビスIDは知らなったので、すぐに登録して活用したい」
  3. 「改めて理解でき勉強になった」
  4. 「要点の説明がわかりやすかった」
  5. 「経営上の問題点の見つけ方の参考になった」

などの記載があった。

講演 2
  1. 「SNSはこまめに更新することが重要と改めて理解した」
  2. 「リポーターの経験からSNSの活用方法について、実例を用いてわかりやすく説明いただき参考となり今後の取組みに活かしたい」
  3. 「SNSは苦手だが挑戦しようと思った」
  4. 「SNS活用のお話はわかりやすく、印象的で大変勉強になった」
  5. 「講演内容が設問形式など考えさせる手法を取り入れている点が良かった」
  6. 「事例は参考になった」(複数意見)

などの記載があった。