(3)温室効果ガス排出量の削減に向けた生活衛生営業者等への普及・啓発(案)について
公益財団法人 北海道生活衛生営業指導センター専務理事 斉藤 聡
私からは, 今後, 本事業をどの様にして普及啓発を進めていくかについてご説明させていただきます.
本日お集まりの生活衛生同業組合の方々の飲食業, 理容業, 美容業, クリーニング業, 旅館業や浴場業などの日常生活に欠かすことのできない, 国民生活に密着したサービスを提供している業種を「生活衛生関係営業の運営の適正化および振興に関する法律(生衛法)」で, 生活衛生関係営業と呼ばれています.道内には生活衛生関係営業者の方々の施設数に対して, 生活衛生同業組合に加入されている組合員(施設)の数を「表」にまとめましたが, 令和5年3月末現在の主な生衛業種の施設数は約85,000件, その内, 組合の対象施設となるのが約79,000件となっています.
現在, 道内では, 11業種, 6,900余りの施設の事業者が生衛法に基づき, 同業者の組織である「生活衛生同業組合」を組織し, 活動しています.その数は道内の生活衛生関係営業施設の約8.7%を占めるなど, 地域に密着した生活衛生関係営業施設は道内の利用者にとっても非常に身近な存在であることがわかります.
そのため地球温暖化のための対策等を効果的かつ効率的に発信し, 普及啓発を行うには最適な媒体の1つとなり得ると考えています.
そのため, 生衛業者及び利用者が事業活動や日常生活の際に排出される温室効果ガス削減のための様々な情報を集約して発信することが重要であり, さらにそこから取り組みや情報が広がることを期待して, 今回, 当センターホームページに専用サイトを立ち上げて普及啓発等を行う考えでいます.現在, 生活衛生同業組合における「温室効果ガス排出量の削減への取組状況」ですが, 各生活衛生同業組合の組合員は, 一部のホテルや興行組合の中でもいわゆるシネコンを除けば, 中小企業法の定義にある従業員5人以下の小規模事業者で, 中小企業者であっても, その多くは従業員の雇用数や資本金が非常に少ない事業者が多く占める状況にあります.
そのため, 温室効果ガス排出量削減につながる取り組みは行っていても, 比較的コストのかからないエネルギー以外の資源消費削減や資源循環などで, コストがかかる再生可能エネルギーの利用やカーボンオフセットの導入などはまだまだ進んでいない状況であると思っています.そこでホームページには「温室効果ガス排出量の削減に係る推進会議」で提供された有益な情報を掲載するとともに, 既に取り組みを行っている各生活衛生同業組合や組合員の事例を, 取り組む際の参考として紹介することとしています.
「生活衛生同業組合の事例」ですが, 取り組みの方向性や中長期的な目的などが明確である内容を掲載し, 発信できればと思っています.
また「組合員の事例」は, 目標や結果, そして取り組んでいることが何故, 温室効果ガス排出量の削減につながっているかなどが, 同業者や利用者等に伝わり参考となる内容を発信できればと思っています.
先ほど, 北海道消費者協会の道高部長様からもご説明があったように例えば, 「食品ロス」はもったいないだけで取り組むのではなく, 食品を廃棄することは焼却するための大きなエネルギーがかかる. 生ごみなどは水が8割を占めると言われていますので, このことが利用者等に伝われば, 「食品ロスの取組」は, 結果として温室効果ガス排出量の削減となり, 地球環境保全に繋がると言うことで, ただ「もったいないから」とか「経費節約になるから」だけの意識から, 「地球環境保護」にも貢献しているとの意識がプラスアルファで広がっていければと思っています.
なお, 内容は極力文字を少なくしてホームページを偶然みた方々にも「ちょっと見てみよう」となり, そして「これならできる」, 「参考になる」と最後まで読んでいただくよう簡潔にしたいと考えています.最後に「温室効果ガス排出量の削減に係る情報の整理・分析」を掲載していくと配布しました資料には記載していますが, 実はわたしの経験からですが, 「温室効果ガス排出量の削減に係る情報」は, 国, 都道府県, 市町村や外部機関などから発信され, その内容も多岐にわたるがゆえに, 対策に取り組む際に何を参考にするのが良いのか迷ってしまうことがありました.
そのため, 実施する取組がなぜ温室効果ガス排出量の削減に繋がるかなどを解説し, 取組を促すとともに, 必要とする情報について, どこを検索すればよいかなど, 収集した情報を整理・分析してリンク先等を掲載できればと考えています.
資料には, ホームページ掲載の案は載せていますが, もう少し時間をかけて内容を整理し, 少しでも地球環境保全に役立つ情報を目的別に掲載できればと考えていますので, これらに関する掲載は次年度以降になるかとも思いますがご了解いただければと思います.温室効果ガス排出量の削減に関する普及啓発は, クリーニング包装材の再利用の促進で実施したポスターでは事業の規模から周知には限りがあることや, 事業の予算の関係などからも, はじめにもご説明したとおり, 当面は当センターのホームページを活用していきたいと思っていますので, ご理解の程, よろしくお願いいたします.
私からの説明は以上となります.